産後の骨盤の歪み、その不調は骨盤矯正で整いますか?
出産という大仕事を終えたその体に、次に必要なのは休息のはずなのに、抱っこも家事も待ってはくれない——そんな声を、当院ではこれまで数えきれないほど伺ってきました。
産後の腰まわりの重さや違和感は、「育児が始まったから仕方ない」と見過ごされがちです。しかし、その不調の背景には、妊娠・出産に伴う体の構造的な変化が関係していることがあります。ここでは、なぜ産後に骨盤まわりの不調が起こりやすいのか、そしてどのような選択肢があるのかを整理していきます。
なぜ産後に骨盤まわりが不安定になりやすいのか
妊娠中から出産にかけて、胎盤からリラキシンというホルモンが分泌されます。このホルモンには、骨盤を構成する仙腸関節や恥骨結合をつなぐ靭帯の柔軟性を高める働きがあり、出産時に赤ちゃんが骨盤を通過しやすくするために必要な変化です(江戸川病院 スポーツ医学科, n.d.)。
一方で、この靭帯の緩みは出産後もすぐには元に戻らず、産後しばらくの間、骨盤まわりの安定性が低下した状態が続くとされています。この時期に、抱っこや授乳による左右非対称な姿勢、反り腰姿勢での家事動作などが積み重なることで、骨盤の傾きや歪みが生じやすくなると考えられています。
日本整形外科学会・日本腰痛学会による腰痛診療ガイドラインでも、妊娠・出産に伴う腰背部痛・骨盤帯痛は、姿勢や筋力バランスの変化と関連する重要な病態として位置づけられています(日本整形外科学会・日本腰痛学会, 2019)。
放置するとどうなりやすいか
産後の骨盤まわりの不安定性を放置した場合に見られやすい経過として、以下のようなケースがあります(いずれも個別の一例であり、経過や効果を保証するものではありません)。
・産後3ヶ月、抱っこや授乳のたびに腰が抜けるような感覚があった30代女性のケースでは、反り腰姿勢と骨盤の左右差が重なっていました。 ・産後半年が経過しても恥骨まわりの違和感が残っていた20代女性のケースでは、出産時の骨盤開大の影響が長引いていました。
このように、産後の不調は「時間が経てば自然に治る」場合もあれば、姿勢のクセが定着してしまい違和感が長引く場合もあります。気になる状態が続く場合は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
整骨院での骨盤矯正はどのようなことを行うのか
当院では、まず姿勢や骨盤の傾き、可動域などを検査したうえで、お一人お一人の状態に合わせた施術方針を立てます。
施術の一つとして、当院ではアクティベータ・メソッドという手技を取り入れています。本メソッドの考え方では、手技による強い刺激ではなく、専用の器具を用いた微弱で瞬間的な刺激によって関節や筋肉の反応を促すとされています。産後で体力が回復しきっていない時期でも受けやすい施術として、多くの方にご案内しています。
あわせて、日常生活での抱っこの仕方や姿勢のクセについてもお伝えし、施術の効果を保ちやすくするためのセルフケアもご案内しています。
施術の目安・よくあるご質問
産後の骨盤まわりの不調は、体質や年齢のせいではなく、姿勢や体の使い方の積み重ねによって起こっていることがあります。まずはお身体の状態を確認するところから、次の一歩を踏み出してみませんか。
| ご質問 | 回答 |
|---|---|
| 産後いつから施術を受けられますか? | 産後の体調や出産方法によって個人差があります。まずはお身体の状態を確認させていただいた上でご案内します。 |
| 施術の間隔・回数の目安はありますか? | お身体の状態によって異なるため、検査結果をもとに個別にご提案しています。 |
| 赤ちゃんを連れて行っても大丈夫ですか? | はい、お子様連れでご来院いただけます。詳細はお気軽にお問い合わせください。 |
当院では、柔道整復師の国家資格に加え、アクティベータ・メソッド国内上級ライセンスを保有するスタッフが、お一人お一人の状態に合わせた施術をご提案しています。産後の骨盤まわりの不調でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
より具体的な整体院選びのポイントについては、産後ケア・女性向け整体の選び方(https://s-lion.jp/5060/)もあわせてご参照ください。
【参考文献】
・江戸川病院 スポーツ医学科.産前産後の腰背部痛・骨盤帯痛. ・日本整形外科学会・日本腰痛学会.腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版). ・Hilde G, Gutke A, Slade SC, Stuge B. Physical therapy interventions for pelvic girdle pain (PGP) after pregnancy. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2016;11:CD012043. ・Liddle SD, Pennick V. Interventions for preventing and treating low-back and pelvic pain during pregnancy. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2015;(9):CD001139. ・Vleeming A, Albert HB, Östgaard HC, Sturesson B, Stuge B. European guidelines for the diagnosis and treatment of pelvic girdle pain. European Spine Journal. 2008;17(6):794-819.

